「第1回中国国際高齢者福祉サービス博覧会兼第7回中国(上海)国際福祉機器展」
中国社会福利協会、中国高齢産業協会などが主催する中国最大の介護サービス見本市「第1回中国国際高齢者福祉サービス博覧会兼第7回中国(上海)国際福祉機器展」が5月17日~19日、上海万博展覧館(上海万博会場跡地内)で開催されました。16カ国・地域から約500社の出展企業・団体が出展し、そのうち日系企業・団体が90社を占めました。この博覧会では、高齢者及び障害者に関するリハビリ、介護サービス、高齢者に住みやすい建築、保険養生サービス、介護施設の建設、情報化サービス、人材育成サービスなどが展示されました。
中国民政省の竇玉沛次官によると、2011年末に1億8500万人だった中国の60歳以上の高齢者が、ピークを迎える2050年前後には4億8000万人に達し、世界の高齢者の4分の1を占める見通しとのことです。中国では1980年から始まった一人っ子政策の影響で高齢化が加速していますが、特に都市部で深刻な状況にあり、上海市では2011年末時点の同市内の60歳以上の人口は347万7600人で、前年比5.1%増、人口比率は24.5%と全国平均(13.7%)を大きく上回っています。こうした状況を踏まえ、上海市政府は老人ホームなどの高齢者施設の拡充や、デイサービス型の介護サービス拠点などの拡充に動いています。ただ、上海市の公営・民営を合わせた老人ホームのベッド数の増加は進んでいるものの、入居費用の比較的安い公営老人ホームは入所希望者が定員を大きく超えている一方で、入居費用の高い民営の老人ホームでは空きが出ているのが現状です。
しかし、高齢化が加速する中国において、先に高齢化が進み介護養老サービスに多くのノウハウと経験を有する日本の企業にとっては大きな商機となるため、同博覧会には医療介護サービスの大手企業をはじめ多くの企業・団体がブースを設けて自社製品のPRに努めていました。日本企業が集まるブースエリアは展示会場の中心に位置しており、多くの来場者の関心を集めていました。今後中国での高齢者向けビジネスでは、介護ベッド、車いす等のハード面の他にも各種サービス、介護士人材育成などのソフト面でますます市場は拡大しそうです。