浙江省嘉善県姚荘鎮開発区視察会
2013年1月10日(木)、浙江省嘉善県姚荘鎮人民政府の主催による日系企業、各自治体向けの投資環境視察会が開催されました。姚荘鎮は浙江省嘉善県の北東にあり、“浙江省における上海に最も近い鎮”と言われています。開発区の平均リース工場の使用料金は8~10元/㎡/月と上海市内の開発区に比べて割安なエリアであり、ここ数年間、姚荘鎮政府は外資系企業の誘致に力を入れています。今回の視察会では、姚荘鎮人民政府による概況説明、交流会、日系企業2社の視察が実施されました。
姚荘鎮は、上海市内まで80㎞、杭州市内まで90㎞、蘇州市内まで75㎞に位置しており、長江デルタ地域の中でも恵まれた立地条件を持っています。総人口は7万人、うち外来人口が約3万人で、古くから“魚と米の故郷”と言われています。農産物が豊かであり、黄桃のほか、キノコ、トマト、スッポン(鼈)、アスパラ等の産地として有名です。一方、近年は第二次産業の発展にも力を注いでいます。現在、国内企業と外資系企業を合わせて約400社があり、中でも太陽光エネルギーと精密機械(自動車部品、工作機械部品、PC部品等)の分野は今後重点的に発展させる方針です。台湾、香港、アメリカ、オーストラリアなどの外資系企業は116社あり、日系企業は7社が進出しています。日系企業の進出理由について政府関係者に尋ねたところ、主に友人等の紹介がきっかけとのことであり、中国ビジネスにおける人との繋がりの強さを改めて感じました。
日系企業2社の視察については、日系自動車メーカーと現地メーカー向けに自動車用シート構成部品を製造販売する企業と自動巻き線機を研究・設計・製造する企業を視察しました。前者は第二工場が稼働し始めてきた創業間もない企業でしたが、後者は創業後10年を経過し、売上・利益とも順調に推移している企業でした。特に後者は設計に従事する従業員も多く、人材の育成には熱心で加えて福利厚生面の充実を重視しているため、従業員の確保と定着率は良好とのことでした。結果として企業の競争力が増し安定した企業経営に繋がっているようです。
姚荘鎮は上海市内から車で約1時間と上海市内から姚荘鎮まで通勤することも十分可能な位置にあり、今回視察した企業の総経理も上海市内から毎日通勤しているとのことでした。今後のインフラ整備に10億元を投資し、企業誘致のワンストップサービスの充実、更に日本産業パークの開設も視野に入れており、日系企業の誘致に精力的で、姚荘鎮人民政府関係者は友好的に私たち視察団を招き入れてくれました。茨城県上海事務所では、上海近郊への進出に御関心をお持ちの企業様にこうした開発区の情報を提供することで、県内関連企業様により一層実のあるサポート事業を進めてまいります。