輸出企業輸出貨物税金(免除)還付申告送金資料提供(関連問題に関する公告についての解説)
2013年6月9日、国家税務総局は「輸出企業輸出貨物税金(免除)還付申告送金資料提供関連問題に関する公告」(以下、本公告という)を公布し、今年8月1日から実施することを決めた。その概要を以下の通り概括してみることにします。
一、背景
今年第1四半期、中国の輸出は急増、増加利率は18.47%に達し、市場の予測を大きく上回った。この「数字繁栄」は異常な現象であると多方面より指摘された。実際に広東省、深センを中心とする保税区では多くの企業は、保税区の優遇政策を悪用し、1ロット貨物を繰り返す通関の手口で虚偽国際貿易を繰り返し、不正の利益を稼いだことはもはや業界の秘密ではないようである。それは輸出急増の虚像を作り上げただけでなく、国内に流れ込んだホットマネーが国内の流動性を推し進めた。「数字繁栄」の異常さを正し、輸出税金還付を騙す違法行為発生を防ぐために国家税務総局は本公告を制定した。
二、申告締切日
輸出企業は輸出貨物の税金(免除)還付の申告について、税金(免除)還付申告締切日までに送金し、かつ、本公告の規定によって外貨受取資料を提供しなければならない。さもなければ、本公告第5条に取り上げられる外貨受取ができない、または輸出貨物税金(免除)還付申告期の締切日までに外貨受取できない輸出貨物を除き、増値税免税政策に適用される。
三、査察対象企業
下記のいずれかに当たる輸出企業は税金(免除)還付を申請する際、外貨を受取った輸出貨物に対して「輸出貨物外貨受取申請表」を記載し、該当貨物銀行外貨決済証票などを提出しなければならない。
1、外貨管理部門よりB、C類企業(※)として指定される。
2、外貨管理部門より重点的監視企業として指定される。
3、人民銀行より国境を跨る貿易人民幣重点的監視企業として指定される。
4、税関よりC、D類企業として指定される。
5、税務機関よりD類納税信用ランクとして指定される。
6、増値税専用領収書或いはその他増値税税金控除証票の乱発、増値税の脱税、国家輸出税金還付などによって、納税機関によって行政処分を与えられた。
7、輸出入管理、外貨受取送金管理等規定に違反したため、税関、外貨管理、人民銀行、商務等部門より行政処罰を与えられた。
8、主管税務機関に申告した外貨を受取れなかった原因が虚偽である。
9、主管税務機関に提供した輸出貨物外貨受取証票が偽造である。
(※)B、C、D類等のランクは、中華人民共和国税関企業分類管理弁法による。密輸の有無、知的財産侵害の有無、申告ミスの有無、会計制度が完備されているか、業務記録が正しいか、輸出入取扱高、税金滞納の有無などの項目評価による
四、運用について
2014年5月1日より輸出企業の前年度外貨受取率は70%を下回った場合、当該輸出企業の当年5月から翌年4月まで税金(免除)還付の申告について本公告第2条の規定によって執行する。
主管税務機関は、輸出税金(免除)還付を審査中、前項輸出企業の税金(免除)還付を申告する輸出貨物に対し更に真実性を確認する必要があると判断した場合、当該企業は主管税務機関の通知を受取った後、「生産企業輸出業務自査表」等を記入しなければならない。主管税務機関は企業の提出申告表などに対して審査し、誤りがないことを確認した後、はじめて該当輸出貨物税金(免除)還付を取扱うことができる。
契約にすべての外貨受取の最終期日は輸出税金(免除)還付申告期限締切日の後にすると決められた場合、輸出企業は契約に決めた最終外貨受取期日の翌月の増値税納税申告期間内に主管税務機関に外貨受取証票を提供しなければならない。提供できない場合は、かかる輸出貨物に増値税免除政策が適用される。
主管税務機関は、輸出企業より輸出貨物税金(免除)還付申告の為に提供された外貨受取資料が虚偽または偽造であると判断した場合、かかる輸出貨物には増値税が適用され、税金騙し、脱税の場合、査察部門が取調、処罰しなければならない。
省レベル国家税務局は評価指標、警告予測値を設け、人民銀行、外貨管理局が提供した輸出外貨受取データによって、輸出企業の貨物の流れ、資金の流れについて定期的評価、警告予測を行い、輸出企業が申告した税金(免除)還付の輸出貨物外貨決算データが異常であると判断した場合、直ちに審査し、規定違反が発覚した場合は、関連規定によって処理し、税金騙し、脱税に属した場合、査察部門が取調、処罰しなければならない。
新主要法令
№ |
法 律 名 称 |
施行日 |
1 |
国家税務総局の輸出企業輸出貨物税金(免除)還付申告送金資料提供に関する公告(『重要法規解説』をご参照下さい) |
2013/08/01 |
2 |
国家衛生と計画生育委員会の食品安全国家標準「食品生産通用衛生規範」(GB14881-2013)の配布に関する公告 |
2013/05/24 |
3 |
国家税務総局の「税収違法案件發票検査協力管理弁法(試行)」の配布に関する通知 |
2013/06/19 |
4 |
人力資源社会保障部の労務派遣行政許可実施弁法 |
2013/07/01 |
5 |
国家税務総局、税関総署の税関輸入増値税専用納金書「先対比後控除」管理弁法関連問題に関する公告 |
2013/07/01 |
6 |
民政部の養老機構管理弁法 |
2013/07/01 |
7 |
民政部の養老機構設立許可弁法 |
2013/07/01 |
8 |
国家税務総局の増値税一般納税人資格認定関連事項に関する公告 |
2013/08/01 |
9 |
財政部、国家発展改革委員会の一部行政事業性費用の取消及び免除の公布に関する通知 |
2013/08/01 |
10 |
国家税務総局の増値税納税申告調整関連事項に関する公告 |
2013/09/01 |
11 |
国家税務総局の「税収票証管理弁法」の実施に関する若干問題の公告 |
2014/01/01 |
12 |
全人大常務委員会の中華人民共和国特殊設備安全法 |
2014/01/01 |
※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。