重要法規解説~最高裁の台湾地区における裁判所の民事判決に対する承認•執行に関する規定~
「最高裁の台湾地区における裁判所の民事判決に対する承認·執行に関する規定」(以下、本規定という)は2015年6月2日に最高裁の審判委員会第1653回会議で審議採択され、同年7月1日より施行されている。最高裁が今まで公布した台湾地区における裁判所の民事判決に対する承認·執行に関する四つの司法解釈(以下、旧司法解釈という)に比べ、いくつかの調整が行われている。本稿では、これらの調整点について簡単に取り纏めます。
一.承認·執行可能の民事判決の範囲の拡大
承認·執行可能の民事判決の範囲が拡大し、台湾地区における裁判所の発効済み民事判決、裁定、和解調書、仲裁調書、支払い命令等、及び刑事事件における民事損害賠償に関わる発効済み判決、裁定、仲裁調書が含まれている。
また、台湾地区の郷、鎮、市仲裁委員会等が発行する、台湾地区の裁判所が承認する、且つ台湾地区の裁判所の発効済み民事判決と同等の効力を有する仲裁文書については本規定を参考の上執行する。
二.管轄裁判所の範囲の拡大
台湾地区の裁判所の民事判決の承認申請の案件については、申請者の住所地、経常居住地、或いは被申請者の住所地、経常居住地及び財産所在地の中級人民法院または専門人民法院が受理する。
三.手続上の正当性の強化
申請者は台湾地区の裁判所の民事判決の承認申請を行う際に、当該判決の真実性、有効性を立証するため、関連証明書類を提供しなければならない。
申請者は人民法院に対して海峡両岸調査挙証司法互助ルートを通じて台湾地区の裁判所の民事判決の真実性、有効性及び当事者が合法的に喚問を受けたことを証明する書類を調査してもらうよう申請することができ、人民法院は必要と認めた場合には関連事項について職権をもって海峡両岸調査挙証司法互助ルートを通じて台湾地区に証拠調査をしてもらうことができる。
四.人民法院の受理優先原則の明確化
人民法院は台湾地区における裁判所の民事判決の承認申請を受理後、当事者が同一の紛争について起訴する場合は受理しないこととする。また、当事者の一方が人民法院に起訴した後、相手側が人民法院に承認申請を行う場合、人民法院は当該承認申請を受理しないこととする。
五.手続上の救済措置の追加
人民法院の申請棄却裁定に対して、申請者は再び申請し、且つ受理条件に合致する場合には、人民法院は受理しなければならない。
申請者は、人民法院が本規定の第15条及び第16条に基づいて下した裁定に不服した場合には裁定の送達日より10日以内に上級人民法院に再審査を求めることできる。
六.承認·執行の申請期間の調整
台湾地区における裁判所の民事判決の承認·執行の申請期間について、旧司法解釈が規定した「判決の発効日より二年とする」を廃止し、身分関係に関する判決を除き、「民事訴訟法」第239条の規定を適用すると定めている。
七.主要法令
№ |
法 律 名 称 |
施行日 |
1 |
最高裁の台湾地区における裁判所の民事判決に対する承認·執行に関する規定『重要法規解説』をご参照下さい) |
2015/07/01 |
2 |
財政部、国家税務総局の「ハイテク技術企業従業員教育経費税前控除政策に関する通知」 |
2015/01/01 |
3 |
税関総署の「部分日用消費品輸入関税の調整に関する公告」 |
2015/06/01 |
4 |
国家税務総局の「海外旅客の物購入出国税還付管理弁法(試行)の公布に関する公告」 |
2015/06/02 |
5 |
税関総署の「税金滞納金減免関連事項の明確化に関する公告」 |
2015/06/05 |
6 |
国家食品薬品監督管理総局の「行政審査事項の取消下放進行事後監督に関する意見」现行有效外汇管理主要法规目录(截至2013年7月31日)
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2015/06/09 |
7 |
国家税務総局の「申告期限切れの輸出税金還付(免除)の延期申告に関する公告」 |
2015/06/11 |
8 |
国務院弁公庁の「社会による医療事業の促進、発展の加速化若干政策措置公布に関する通知」 |
2015/06/11 |
9 |
国家発展改革委員会の「「価格詐欺行為禁止の規定」関連条項解釈に関する通知」 |
2015/06/15 |
10 |
国家質検総局、商務部、税関総署の「中古機電産品輸入管理関連問題に関する公告」 |
2015/06/17 |
11 |
国家税務総署の「企業再生業務企業所得税徴収管理若干問題に関する公告」 |
2015/06/24 |
12 |
国家食品薬品監督管理総局の「薬品経営品質管理規範」现行有效外汇管理主要法规目录(截至2013年7月31日)
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2015/08/01 |
※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。