重要法規解説~国家食品薬品監管総局の「食品経営許可審査通則(試行)」について~
国家食品薬品監管総局は「食品経営許可管理弁法」を2015年10月1日に円滑に徹底的に実施するため、「食品経営許可審査通則(試行)」(以下「通則」という)を公布し、各省、自治区、直轄市の食品薬品監督管理局、新疆生産建設軍団食品薬品監督管理局が通則どおりに執行するよう求めた。同通則は公布日に実施することになった。
一.対象範囲
「通則」第三条は、食品薬品監督管理部門は主体業態、食品経営項目ごとに、且つそのリスクの高さを考慮したうえで食品経営許可申請を審査すると定めている。
主体業態には食品販売経営者、飲食サービス経営者、社内食堂が含まれる。ネット販売、セントラルキッチン或いは団体給食配送を申請する場合は、主体業態の後に注記しなくてはならない。
二.許可申請基本要求
「通則」第六条~第十二条は許可審査の基本要求について詳しく定めている。
1.食品経営企業は食品安全管理人員を配備し、食品安全管理人員は訓練や査定を受けなければならない。国又は業界が規定する食品安全関連資格を取得した者は査定を受けなくてもよい。
2.食品経営企業は食品の安全を確保するための管理制度を備えなければならない。食品安全管理制度には、従業人員健康管理制度・研修管理制度、食品安全管理員制度、食品安全自己検査・報告制度、食品経営過程・コントロール制度、場所及び施設・設備の洗浄消毒・メンテナンス・保守制度、仕入れ検査・検査記録制度、食品貯蔵管理制度、廃棄物処理制度、食品安全突発事件応急処置方案等が含まれる。
3.食品経営者は経営する食品の品種、数量に相当する食品の経営・貯蔵場所を備えなければならない。食品経営場所と食品貯蔵場所は汚染に曝されやすい区域に設置してはならず、汚水池、露天ゴミ処理場所等の汚染源より25メートル以上離さなければならない。
4.食品経営者は実店舗を経営するとともに食品ネット販売を行う場合、「通則」第九条~第十条に定める条件のほかに、審査のために申請者のサイト、ホームページ又はネット店にアクセスできる施設・設備を許可機関に提供しなければならない。
5.実店舗を有さない食品ネット販売者は、販売食品の品種、数量に相当する固定的な食品経営場所を備えなければならず、貯蔵場所を食品経営場所と見做し、且つ審査のために申請者のサイト、ホームページ又はネットショップにアクセスできる施設・設備を許可機関に提供しなければならない。
6.貯蔵場所、人員及び食品安全管理制度は全て上記要求を満たさなければならない。
7.実店舗を有さない食品ネット販売者は全ての食品製造販売項目及び小分け熟成食品の販売を申請してはならない。
三.特殊食品販売審査要求
健康食品、特殊医学用食品、乳児用食品を販売する際には、それぞれ専用エリア、表示板を設置しなければならない。
四.公示制度
飲食サービス企業は食品添加剤使用公示制度を制定しなくてはならない。
五.社内食堂許可審査要求
「通則」に定めた許可審査要求のほか、専用調理場の確保、料理サンプルの専用容器及び冷蔵施設、料理サンプル管理スタッフの配備も必要とする。
六.主要法令
№ | 法 律 名 称 | 施行日 |
1 | 国家食品薬品監管総局の「食品経営許可審査通則(試行)」 | 2015/10/01 |
2 | 税関総署の「法人及びその他の組織の社会信用番号統一実施関連事項に関する公告」 | 2015/10/01 |
3 | 国家税務総局の「納税人識別番号基準の修正に関する公告」 | 2015/10/01 |
4 | 住房と城郷建設部の「建築業企業資質管理関連問題に関する通知」 | 2015/10/09 |
5 | 国家工商行政管理総局の「商標登録受理費の引下に関する通知」 | 2015/10/15 |
6 | 中国保険監督管理委員会の「保険少額賠償サービス手引(試行)」の配布に関する通知 | 2015/10/24 |
※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。