茨城県上海事務所 > 中国法律情報 > 人力資源社会保障部の「労災保険条例」若干問題の執行に関する意見(二)概要について

人力資源社会保障部の「労災保険条例」若干問題の執行に関する意見(二)概要について

人力資源社会保障部は「労災保険条例」の実施に伴って実際に発生した難問を回答するために2016年3月28日付け「労災保険条例」若干問題の執行に関する意見(二)」(以下、「本意見」という」を公布し、同日施行する。「本意見」は計12条で構成されている。ここに「本意見」の主な条文を以下のとおり紹介します。

一、1級から4級までの労災を認定された職員が死亡し、その直系親族が同時に労災保険葬儀助成金、扶養親族助成金及び職員基本養老保険葬儀助成金、補償金の受給の条件に合致した場合、その直系親族は、労災保険金または職員養老保険金のいずれかを選択して受給することができる。

二、法定退職年齢を迎えた、或いは超過した職員が、定年退職手続きをしなかったり、法により都市鎮職員基本養老保険待遇を享受しなかったり引き続き元の雇用会社での勤務期間中に労災事故に被災したり職業病を罹ったりした場合、雇用会社は労災保険責任を負わなくてはならない。雇用会社によって招聘された法定退職年齢を迎えた、過ぎた、或は都市鎮職員基本養老保険待遇の受給している人は、雇用期間中に労災事故に被災したり職業病を罹ったりした場合に、もし、雇用会社がプロジェクトごとに保険加入などの方法でその職員のために労災保険費を納付したことがあれば、「労災保険条例」を適用しなければならない。

三、「労災保険条例」第六十二条に決めた「新しく発生した費用」とは、雇用会社の労災保険加入前に発生した労災の職員が労災保険加入後新しく発生した費用を指すものである。その内、労災保険金より支払われる費用は仕事で被災または死亡の状況によって処理される。

四、職員は、雇用会社が組織した、または雇用会社により指名されその他の会社の組織した活動に参加し事故で被災した場合、業務上の事故と見なすべきである。

五、職員は仕事で外地に駐在し、固定の住所、明確な休憩時間がある場合、労災の認定については、駐在地での正常な仕事の状況によって処理される。

六、職員が出退勤を目的に、妥当な時間内に勤務先と居住地との間を往復する合理的な路線は、出退勤の途中にあるとする。

七、雇用会社はその登録地と生産経営地とが異なる保険加入地域にある場合、原則登録地で職員のために労災保険に加入しなければならないが、登録地で労災保険に加入しない職員に対してその生産経営地で労災保険に加入することができる。

 職員は事故で負傷し、または職業病を罹った後、保険加入地で労災認定、労働能力の鑑定を行い、且つ保険加入地の規定によって労災保険待遇を享受するが、労災保険未加入の職員は生産経営地で労災認定、労働能力鑑定を行い、且つ生産経営地の規定によって雇用者が労災保険待遇を支給しなければならない。

八、以下の状況のいずれかの一つに当たる場合、遅延された時間は労災認定申請時限内に計算されない。

(一)不可抗力によって影響されたこと

(二)職員は国家機関によって法による強制措置など人身自由制限を受けられ、労災認定を申請できないこと

(三)申請者は正式に労災認定を申請したが、社会保険機構の未登記または資料の紛失など原因で申請時限を過ぎたこと

(四)当事者が労働関係を確認するために労働仲裁を申請しまたは民事訴訟を提起したこと

(五)その他の法律法規の状況に合致したこと

九、「労災保険条例」第六十七条に決めた「労災認定の未完了」とは「労災保険条例」の施行前に事故の被災で負傷し、或いは診断で職業病として鑑定され、且つ労災認定申請の法定時限内に(「労災保険条例」の施行日から起算する)労災認定の申請を提出したにもかかわらず、労災認定をされていない状況を指すことである。

 

最新法律情報

法  律  名  称

施行日

人力資源社会保障部の「労災保険条例」若干問題の執行に関する意見(二)」『重要法規解説』をご参照下さい)

2016/03/28

財政部、国家档案局の「新旧「会計書類管理弁法」に繋がる規定に関する通知」

2016/03/08

3

最高裁の「特許権侵害案件審理の法律応用若干問題に関する解釈」

2016/04/01

国務院税関税則委員会の「輸入物品輸入税の調整に関連する問題に関する通知」

2016/04/08

財政部、税関総署、国税総局の「越境電子商務小売輸入税収政策に関する通知」

2016/04/08

財政部、国税総局の「営業税を増値税徴収に変更するテストの全面展開に関する通知」

2016/05/01

7

国家工商行政総局の「流通領域における商品品質監督管理弁法」

2016/05/01

 

※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。