「中華人民共和国環境保護税法」についての概要
2016年12月25日、全国人民代表大会常務委員会は「中華人民共和国環境保護税法」(以下、本法という)を採択し、2018年1月1日より施行を決定した。なお、計5章、28条で構成されている「本法」の趣旨を以下の通り紹介します。
1、立法の経緯
本法は中国初の環境保護単行税法として、2回の審議の上、6年間かけて、ようやく成立した。
2、実施対象
本法の実施後、中国領域および中国管轄のその他の海域において直接に環境に納税汚染物を排出する企業及びその他の生産経営者は環境保護税の納税者として環境保護税を納付しなければならない。また、本法のいわゆる納税汚染物とは、本法添付の「環境保護税税目税額表」と「納税汚染物と当量値表」に決めた大気汚染物、水汚染物、固体廃棄物及び騒音を指すものである。
3、税率
環境保護税の税率としては、大気汚染物税額は汚染当量当たり1.2元から12元まで、水汚染物は当量当たり1.4元から14元まで、石炭脈石汚染物の税額は1トン当たり5元、危険廃物の税額は1トン当たり1000元、工業騒音の基準は、1-3、4-6、または16以上のデシベルを上回った場合、企業に対して、毎月、350元、700元または11200元を徴収する。
4.実施主体
これまで、地方環境保護部門が法律執行兼汚染排出費の徴収を実施してきたが、弊害が大きかった。これからは、税務部門が環境保護税を徴収し、地方環境保護部門は、環境執法に専念し、汚染排出企業への監督を一層強める。
5.税の減免
本法は現行の汚染排出費を環境保護税に変更し、二段階の税収減免を設け、地方の引上げ幅を10倍までと限定する。
本法は、5種類の免税、2種類の減税できる状況を取り上げ、そのうちの4種類が環境保護標準の合致、引き上げにかかわる。工業汚染廃棄企業にとって、汚染排出濃度を最大限に引き下げることによって、環境保護税金の減税に繋がる。
6.損害賠償
環境汚染物を排出した企業とその他の生産経営者は本法によって環境保護税の納付後、そのもたらした損害に法的な責任を免れない。
以 上
新主要法令
№ |
法 律 名 称 |
施行日 |
1 |
全国人民代表大会常務委員会の「中華人民共和国環境保護税法」『重要法規解説』をご参照下さい) |
2018/01/01 |
2 |
財政部の「増値税会計処理規定」の配布に関する通知 |
2016/12/03 |
3 |
国務院弁公庁の「養老サービス市場の全面開放と養老サービス品質の向上に関する若干意見」 |
2016/12/07 |
4 |
国家税務総局の企業所得税関連問題に関する公告 |
2016/12/09 |
5 |
国家郵政局、公安部、国家安全部の「物品郵送禁止の管理規定」の配布に関する通告 |
2016/12/16 |
6 |
国務院弁公庁の個人信用体系創りの強化に関する指導意見 |
2016/12/23 |
7 |
最高法、最高検の環境汚染刑事事件審理法律適用若干問題に関する解釈 |
2017/01/01 |
8 |
国務院税関税則委員会の2017年度税関調整方案に関する通知 |
2017/01/01 |
9 |
文化部の「インターネット演出経営活動管理弁法」の配布に関する通告 |
2017/01/01 |
10 |
文化部のインターネットゲーム運営の規範と進行事後監督管理業務の強化に関する通知 |
2017/05/01 |
※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。