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訴訟時効はいつまでか

 

1、事実経緯

 上海にある日系商社(以下、A社という)は、2006年6月30日に大連にある民営商社(以下、B社という)と工作機械用警報ランプの基本売買契約を締結し、B社にその警報ランプを提供し続けたが、B社は他社の債権の焦げ付きが発生し、2016年6月30日までにA社に警報ランプ代金計12万元を支払わなかった。
 A社は、B社に上記の代金の支払を催促した末、2017年4月11日までに12万元の代金を一括で支払うB社の誓約書を貰ったが、その締切日を過ぎても、B社からの入金が一切無いので、提訴を念頭に置いてその訴訟時効がどうなるか弁護士に相談した。

2、問題点

 訴訟時効はいつまでか

3、弁護士の回答

1、B社の誓約書には、代金返済期限を2017年4月11日までにすると約束している。現行法の訴訟時効は2年であり、最終の起訴期限期日は2019年4月10日までとなるが、2017年10月1日から実施する「民法総則」第188条の訴訟時効によれば、人民法院に民事権利保護を請求する訴訟時効は3年となるので、A社のB社に対する訴訟時効は2020年4月10日まで延長される。
2、民事訴訟の時効は現行の2年から、3年に変更されることは、特に債権債務の紛争にとって朗報であり、より多くの企業の合法権益が保護される。但し、起訴は早いほど権利保護に有利となる。さもなければ、相手との連絡が取れなくなったり、権利保護の難度が増えるリスクがある。

以 上

※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。