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「税務事項で「税務局に出向いて1回のみで済む(※1)」改革の推進に関する国家税務総局の通知」について

 国家税務総局は、2018年2月27日付「税務事項で「税務局に出向いて1回のみ済む」改革の推進に関する通知」(以下、「通知」という)を公布し、同日に実施することを決めた。その概要を以下の通り取り纏めてみます。

(※1)原文は「最多跑一次」。今までは、手続きに何度も出向いていたのが、今後は1回だけで済むという意味。

1、背 景

 長年にわたり、税務機関は納税者に対する手続の煩雑さ、審査許可期間の長さ、担当者の裁量の勝手さなどで納税者から不評を買っている。国家税務総局は、企業のビジネス環境を改善し、納税者の税務手続のコストを減らし、各税務出先機関の行政効率を引上げるために、内向きの改革を断行し、「通知」の公表と実施に踏み切った

2、納税手続簡素化の内容

 

(1)税務処理の「リスト」範囲内の事項に関しては、納税者は、資料を整えて、法定の受理条件に合致した場合、税務署の窓口に1回だけ出向いて済む。

 

(2)上記の「リスト」には報告類、領収書類、申告類、届出類、証明類の5大類105項目が含まれる。そのうち、

①報告類にある1-13の項目には、自然人納税人情報採集、税金控除登記、預金口座番号報告、増値税一般納税人登記など

②領収書類にある14-29の項目には、領収書種類確定、領収書発行最高金額審査許可、税関関税納付証憑データ採集など

③申告類にある30-78の項目には、増値税一般納税人申告、非住民企業所得税四半期納税申告、生産・経営納税人個人所得税自己納税申告、不動産税申告、城鎮土地使用税申告、財務会計報告提出など

④届出類にある79-98項目には、増値税優遇届出、企業所得税届出、輸出税金(免)還付届出、非住民個人税収協定待遇享受の取扱など

⑤証明類にある99-105項目には、納税済み証明発行、「非住民企業の企業所得税一括証明など

(3)国税、地税局は2018年3月前に社会に公告し、翌月1日から同時実施する。

(4)税務機関はインターネットオンラインによる税務処理、納税者の税務事項処理を完了する。

(5)各地情報化構築の進捗度、納税者の手続慣習などの差異を考慮し、インターネットオンラインのほか、郵送配達、訪問による税務を取り扱う方法を推進する。

以 上

 

最近の主要法令

法  律  名  称

施行日

1

国家税務総局の「税務事項で「税務局に出向いて1回のみで済む」改革の推進に関する通知」『重要法規解説』をご参照下さい)

2018/02/27

 

2

財政部、国家税務総局の「非営利組織免税資格認定管理関連問題に関する規定」

2018/01/01

3

最高裁の「「中華人民共和国行政訴訟法」の適用に関する解釈」

2018/02/08

4

税関総署の「保証金台帳「実転」管理事項から税関事務担保事項に変更する関係手続に関する公告」

2018/02/13

5

中共中央弁公庁、国務院弁公庁の「知的財産権審判領域改革創新の強化若干問題に関する意見」

2018/02/27

6

最高裁の「執行和解若干問題に関する規定」

2018/03/01

7

最高裁の「人民法院の仲裁裁定執行案件取扱若干問題に関する規定」

2018/03/01

8

最高裁の「執行担保若干問題に関する規定」

2018/03/01

9

国家インターネット情報弁公室の「マイクロブログ情報サービス規定」

2018/03/20

10

国家税務総局の「税収協定における「受益所有者」関連問題に関する公告」

2018/04/01

11

国家税務総局の「納税信用評価関連事項に関する公告」

2018/04/01

12

国家税務総局の「税収協定執行若干問題に関する公告」

2018/04/01

  ※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。