税務当局に目を付けられないよう
2018年4月2日、税務総局は全国税務調査業務のビデオ会議を開催し、新しいラウンドの税務調査の全面的な展開を明らかにし、税務総局局長は、各レベルの税務査察部門に対して脱税行為の撲滅に、終始厳しい態勢で臨み、文明、かつ公正な執法によって、国税(局)と地税(局)との連携査察を通じて、改革発展の大局に、より良いサービスを提供するよう要求した。
閉会後、税務総局は最新の税収違法のブラックリストを公布し、同時に他部門と連携し懲戒に躍起になり、それまでに全国に公布されたブラックリストに関わる998件の当事者に税金、滞納金及び罰金を完納させた。
このような脱税の撲滅に向けた急速な行動は、2018年5月1日からの新しい増値税税率政策の施行に起因しているとも考えられる。増値税の新税率の適用によって、通年で2400億元の節税ができると思い込んだ納税者はきっと大喜びだっただろう。ところが、財政部門は、巨大な財政圧力に直面して、この「2400億元」の穴を埋めるにはありとあらゆる財源を見つけなければならず、納税者に目をつけることも不思議ではない。今回の「税務査察嵐」は各社にどんな影響をもたらすか?税務局に目を付けられないようにするには、何に気をつければいいだろうか?
以下の通りチェックしてみよう。
1、規定の期日通りに税務局に納税申告しなかったり、納税申告漏れをしたりしたことによって税務局より注意される。
2、会社の従業員人数、経営場所は財務諸表の収入の総額に見合わない。即ち、会社は社員を多く抱え、場所も広いが、財務諸表にわずかな収入しか記帳せず、通常の業務ぶりにかなわない。または社員は少ないが、販売収入は多く、インボイスを虚偽発行した行為があると疑われる。
3、月末毎の粗利、納税金額の変動幅が大きく、多くなったり、少なくなったりして、業界の規律からかけ離れていると目をつけられやすい。
4、前受金、棚卸資産額は長期に渡り多く計上されており、確認できる収入が少なく、納税額の過小が存在している。
5、設備規模、電気、水道費と営業収入との対比ができない。即ち、設備が多いほど、水道電気使用量も多くなるはずだが、財務諸表上の収入が少ないことに対して、税務局より確認できる収入が少ないか否かと関心を持たれる。
6、その他未収金、その他未払金額が大きく、長期にわたり計上されている。即ち、株主配当は実施せず、その他未収金を経て会社資金を抜き出すのではないかと疑われる。
7、社員の平均給料が同業の相場より低く、実体からかけ離れる。即ち、個人所得税の納付を少なくするために、賃金を3500元以下まで押さえることに対して税務局からマークされる恐れがある。特に、サービス業界、ハイテク産業などにおけるハイエンド人材を必要とする企業は要注意とされる。
8、印紙税、不動産税など小項目税金を納めない。一般的に言えば、経営にかかる限り、多かれ少なかれの印紙税が生じる。会社の営業場所は自社か、あるいは賃借するなら、不動産税に引っ掛かる。特に賃借の物件に関して、賃貸契約の有無か、家主が不動産税(家賃収入にかかる所得税)を納めたかどうか税務当局は目を光らせる。
9、たとえば、高額な資産(工場、土地、設備、対外投資などを含む)の譲渡、配当、資産廃棄、多額の不良債権など非経常的事項が発生し、それにかかる税金納付や税務処理をきちんと行わなければ、税務局の調査が入る。
10、ドケチ企業。即ち、長期間にわたり、一銭の税金も払わず、あるいは僅かな税金しか納めず、税金負担率が同業界のレベルを遥かに下回っており、税務局に目を付けられる。
以上
※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。