年次有給休暇の「1年」について
中国では「従業員有給年次休暇条例」が施行されてからもう何年も経ったが、「年次有給休暇」の享受条件について改めて触れてみます。
「従業員の年次有給休暇条例」では、機関、団体、企業、事業単位、民営非企業単位、従業員を雇っている個人工商戸などの単位の従業員が連続して1年以上勤務する場合、年次有給休暇を享受すると規定されている。ここにいう「連続して1年以上勤務する」ことは、年次有給休暇を享受する資格、即ち従業員は連続して12ヶ月以上勤務することを指す。後の「企業従業員年次有給休暇実施弁法」は、従業員が連続して12ヶ月以上働いた場合、年次有給休暇を享受することを明確にした。
また、「連続して12ヶ月以上勤務する」ことは、従業員が本雇用主で1年以上勤務するかどうかについて、人力資源と社会保障部の返書によると、「従業員が同一の本雇用主で連続して1年以上勤務する状況と、従業員が異なる雇用主で連続して12ヶ月以上勤務する状況も含まれる。
然し、現実になお以下の3つの状況が存在している。一つ目は、従業員が本雇用主で連続して12ヶ月以上勤務している。二つ目は、従業員は絶え間なく他社から本雇用主まで転職し、且つ合算した勤務期間が12ヶ月以上、例えば、ある従業員はA雇用主で13ヶ月勤務し、その後B雇用主に転職した場合、週休二日以外は殆ど仕事を中断したことがない。三つ目は、従業員がかつてほかの雇用主で連続して12ヶ月以上勤務した場合、例えば、ある従業員は、A雇用主でかつて13ヶ月勤務したことがあり、その後3ヶ月失業した後、またB雇用主に再就職した。
以上の3つの状況はすべて「従業員が連続して12ヶ月以上勤務している」に属するか否かについて、現在各地域の解釈が異なっており、ある地域では上記の三つの状況のすべてを認めている。例えば、北京市高級裁判所の規定によると、「連続して12ヶ月以上勤務する」ことは、労働者は就職後、かつて同一または二つ以上の雇用主で連続して12ヶ月以上勤務したことを指す。一方、上記の一つ目、二つ目の状況しか認められない地域もある。例えば、深圳市中級裁判所の規定によると、「連続して12ヶ月以上勤務する」ことは労働者が本雇用主で連続して12ヶ月以上勤務していることに限らず、労働者が異なる雇用主で連続して12ヶ月以上勤務している場合も含む。ただし、労働者が新規雇用主に入る時に勤務期間の中断がある場合を除く。これは実際に労働者が「当組織」で働いてから「連続して12ヶ月以上働いている」かどうかを計算します。これは実際に労働者が「本雇用主」で勤務してから「連続して12ヶ月以上勤務している」か否かを計算することである。上海では文書化の規定はないが、実務上、深圳の規定に近い傾向が見られる。
上記の3つの状況に対して地域によって「連続勤務」に算入するか否か、異なっている対応が今後立法によりさらに明確化されることを期したい。
重要法規解説
「環境行政処罰自由裁量権を適用する更なる規範に関する生態環境部の指導意見」について
生態環境部は2019年5月21日付「環境行政処罰自由裁量権を適用する更なる規範に関する指導意見」(以下、意見という)を公布し、同日実施する。正文と添付文を含む六つ方面によって構成された「意見」を以下の通り取りまとめてみます。
一、背景
中国の環境保護法律法規が日増しに完備され、特に環境保護法が改正されて以来、大気汚染防止法、環境影響評価法、水汚染防止法など多くの法律法規が相次いで改正または制定され、環境法の執行手段がより多くなり、環境行政処罰の種類が増え、罰金額が大幅に高まり、行政処罰の自由裁量権も拡大した。一方、地域差と法律条項に対する認識の程度が異なるため、各地で現行の裁量基準は規範化、合理化においてかなり大きな差異が存在している。「意見」の実施は、地方生態環境部門による環境行政処罰自由裁量規則と基準の制定、適用と監督業務の展開を指導し、さらに環境行政処罰裁量権の行使を規範し、法に基づく行政の能力とレベルを高め、執法の公正性と正確性を向上させるためである。
二、内容
1、行政処罰自由裁量権の適用基本原則と関連制度を明確化する。「意見」では、省級生態環境部門は、その地域の環境行政処罰の自由裁量規則と基準を制定し、下級生態環境部門は直接にその自由裁量規則と基準を使用できるとする。
2、裁量規則と基準の制定原則、主体と基本方法を明確化する。現状では江蘇省南京市、浙江省台州市などは環境違法行為の特徴に基づき、個々の環境違法行為に対して全面的な裁量因子を設定したが、多くの地方で設定されている裁量因子はまだ単一であり、江蘇省南京市、甘粛省、青海省西寧市、重慶市渝北などは専門的な行政処罰自由裁量システムを開発し、システムの裁量は人的な裁量に取って代わるが、全国の大部分の地域の裁量基準は依然として簡単なテーブル形式を取っている。
3、裁量規則と基準の手順を制定する際、環境違法行為の特徴を十分に考慮し、主観的基準と客観的基準を結合し、全面的に違法情状を考慮し、裁量因子と演算規則を設定し、裁量限度額は違法行為と一致する処罰原則を貫徹する。
4、裁量規則と基準の適用要求を規定し、調査と証拠取得、案件審査、告知と公聴、処罰決定など5段階に分けて適用し、厳罰、懲罰あるいは軽減、処罰免除などの裁量の特殊な状況が含まれている。
5、裁量権行使の監督と評価を強化し、情報公開、届出管理及び適用監督から監督、評価業務を要求する。
6、添付資料は部分日常環境違法行為の自由裁量基準と計算方法を地方に参考として提供する。
主要法令
№ |
法 律 名 称 |
施行日 |
1 |
生態環境部の「環境行政処罰自由裁量権を適用する更なる規範に関する指導意見」(『重要法規解説』をご参照下さい) |
2019/05/21 |
2 |
国家発展と改革委員会、工業と情報化部、財政部などの「2019年度コスト引下げ重点業務の完備に関する通知」 |
2019/05/07 |
3 |
国家発展改革委員会の「一般工商業電気価格の引下げに関する通知」 |
2019/05/15 |
4 |
最高裁の「生態環境損害賠償事件の審理に関する若干規定(試行)」 |
2019/06/05 |
5 |
国家税務総局の「「権限下放、参入障壁の取下げ、公正管理、公正競争、効率的なサービスで、便利な環境作り」の改革を深め、税務抹消手続きの最適化を全力で推進する業務に関する通知」 |
2019/07/01 |