有限責任会社と株式有限会社との違いは何ですか?
有限責任会社は、有限会社と略称し、株主はその出資額を限度として会社に責任を負い、会社はその全部の資産をもって会社の債務に責任を負う。一方、株式有限会社は、株式会社と略称し、その全部の資本は等しい株式に分けられ、株主はその保有株式を限度として会社に責任を負い、会社はその全部の資産をもって会社の債務に責任を負う。この二種類の会社は、会社法の規定により、それぞれ会社名に「有限会社」または「株式会社」という文字を明記しなければならない。有限会社は株式有限会社と比べたら、その主な違いは以下のとおりである。
1、会社の性質が異なる。
有限会社は、株式会社その特徴を兼備し、人と資金を統合し、その株主は出資を限度に、権利を享受し、責任を負担し、資金集合の性質を有するが、資本募集を公開することができなく、株主間にかなり密接な関係があり、一定の人間集合の性質を有し、株式会社と区別する。株式会社は、徹底的な資金集合の会社であり、その組成と信用基礎は会社の資本であり、株主個人の人間性(名誉、地位、人望)と関係なく、株主個人も個人の信用と労務で投資できないため、完全な資金集合性と有限会社と異なる。
2、株主数が異なる。
世界の多数の国の会社法では、有限責任会社の株主は少なくとも2人で、最大50人(30人の規定もある)と規定されている。株主数が少ないため、必ずしも株主会を設立しなくてはならないとは限らない。株式会社の株主は数量の制限がないが、2-200人の発起人が必要であり、大会社は数十万人、甚だしきに至っては百万人に達する。有限責任会社と違って、株主総会を設立しなければならず、株主総会は会社の最高権力機構である。
3、登録の資本金が異なる。
2013年に「会社法」が改正され、法律、行政法規及び国務院は会社の登録資本金の最低限度額に対して別途規定があると決定した以外に、有限責任会社の最低登録資本金限度額3万元、一人有限責任会社の最低登録資本金限度額10万元、株式有限会社の最低登録資本金限度額500万元の条件が解除され、会社設立時の株主(発起人)の初回出資比率、株主(発起人)の貨幣出資比率に対する制限が無くなった。
4、株価の区分方式が異なる。
有限責任会社の株式を均等に分割する必要がなく、資本金は株主がそれぞれ承諾した出資額によって区分される。株式有限会社の株は必ず同等の金額でなければならない。その株価の区分は、金額が小さく、一株当たりの金額が等しい。一株につき1票の表決権がある。
5、発起人が資金を集める方式が異なる。
有限責任会社は発起人により資金を集めるが、社会に公開して資金を集めたり、株式上場したりすることができない。株式有限会社は発起または募集を通じて社会に資金を集めることができ、その株式は公開発行し、上場取引できる。
6、株式譲渡の条件の制限が異なる。
有限責任会社の株主は法によりその全部または一部の持ち分を譲渡することができるが、会社以外の人に持ち分を譲渡する場合、その過半数の株主の同意が必要であり、同等の条件下で会社のその他の株主が優先権を有する。株式有限会社の株主が保有する株式は取引と譲渡ができるが、株を払い戻すことはできない。
7、会社組織機構の権限が異なる。
有限責任会社は監事会、董事会を設置せず、執行董事、監事各一名のみを設置でき、そのため、取締役会は往々にして株主個人が兼任し、権限の柔軟性がある。株式有限会社は、董事会、監事会を設立し、定期的に株主総会を開催しなければならない。株主数が多くて相対的に分散しているため、株主会の使用権限は一定の制限を受けて、董事会の権限はより集中している。また、上場会社は外部の独立取締役を採用しなければならない。
8、株式の証明形式が異なる。
有限責任会社の株式証明は会社が発行した出資証明書であり、株式有限会社の株式証明は会社が発行した株式である。
9、財務状況の開示の程度が異なる。
有限責任会社の財務状況は、会社定款の規定の期限によって各株主に提出すればよく、公告と帳簿の開示が必要なく、財務状況は相対的に守秘されている。株式有限会社は、定期的に財務状況を公表しなければならならず、手順が複雑で、守秘が困難である。
重要法規解説
「知的財産権民事訴訟証拠に関する最高裁の若干の規定」
2020年11月9日、最高裁は「知的財産権民事訴訟証拠に関する若干の規定」(以下「規定」という)を公布し、2020年11月18日に施行することを決めた。規定は33条で構成され、その主な内容は以下の通りです。
一、背景
知的財産権権利者が遭遇している訴訟の「挙証難」、権利を守るためのコストが高いなどの難問に対して、最高裁は民事訴訟法などの関連法律規定に基づき、知的財産権民事事件の裁判の実務と結びつけて、権利者立証負担を適切に軽減し、当事者の積極的に立証する知的財産権民事訴訟制度の構築を推し進め、規定の実施を通じて確実に知的財産権司法保護の力を強める。
二、挙証難への対策
知的財産権保護の客体は無形性の特徴を有し、権利侵害行為は比較的隠蔽であり、権利侵害行為に関する証拠は往々にして権利侵害者によって掌握され、権利者は直接に獲得することが困難である。「規定」は六つの方面を重点的に展開される。
1、「規定」第一条は誠実と信用の原則を明確にし、当事者は法律及び司法解釈の規定に基づき、知的財産権民事訴訟において積極的、全面的、正確、誠実に証拠を提供するよう、知的財産権訴訟誠実システムの構築を推進する。
2、「規定」は「当事者が自ら主張することに挙証すべき」をもとに、第二条に裁判所は、当事者の主張及び証拠待ち事実、当事者の証拠保持状況、挙証能力等に基づき、当事者に関連証拠の提供を要求することができると決められ、証拠を把握する一方の当事者の立証義務を明確にし、各当事者に積極的に立証するよう促し、裁判所が事件の事実を正確に究明できるよう確保する。
3、書面証明のほかに、物証、電子データ、視聴資料などその他の種類の証拠は知的財産権民事訴訟にもよく現れ、時には肝心な証拠になる。従って、民事訴訟法司法解釈第百十二条に規定された「書証提供制度」を基礎に、「規定」第二十四条は、さらに裁判所が裁定等の法律文書をもって相手方当事者にその掌握する証拠、すなわち書面証明だけでなく、他の種類の証拠を含め提出させる権利を有することを明確にした。
4、「規定」第二十五条は証明妨害に対して特別規定を設ける。裁判所が法により当事者に関連証拠の提出を要求し、正当な理由がなく提出の拒み、虚偽の証拠の提出、証拠の隠滅、又はその他の証拠の使用不能を致した行為を実施した場合、裁判所は、相手の当事者による当該証拠に係る証明事項の主張が成立すると推定することができる。当事者の証明妨害行為は民事訴訟法第一百一十一条に決める民事訴訟妨害情況を構成した場合には、裁判所は法により処理する。
5、「規定」第十三条、第十四条は当事者が正当な理由がなくて、非協力、または証拠保全の妨害によって、証拠保全が不可能になり、またはすでに保全措置を取った証拠を破壊し、証拠が使えなくなる場合には、裁判所はそれに不利な結果を負わせることを確定することができると決める。
6、「規定」は証拠保全申立人と被申立人の利益を均衡させるために、第十二条に証拠保全は有効な固定証拠を限度として、保全対象物的価値に対する損害と証拠保持者の正常な生産経営に対する影響を極力減少させなければならないと決める。
主要法令
№ |
法 律 名 称 |
施行日 |
1 |
最高裁の「知的財産権民事訴訟証拠に関する若干の規定」『重要法規解説』をご参照下さい) |
2020/11/18 |
2 |
財政部、税関総署、国家税務総局の「新型肺炎疫病による不可抗力で輸出返却貨物税収規定に関する公告」 |
2020/11/02 |
3 |
司法部の「更なる改革の深化、監督強化、司法鑑定の品質と公信力の向上に関する意見 |
2020/11/02 |
4 |
国家版権局の「著作権行政法律執行証拠審査と認定業務の更なる遂行に関する通知」 |
2020/11/15 |
5 |
最高裁の「著作権と著作権関連の権利保護の強化に関する意見」 |
2020/11/16 |
6 |
税関総署の「海南自由貿易港輸入「ゼロ関税」原料補料の税関監督弁法(試行)の配布に関する公告」 |
2020/11/30 |
7 |
生態環境部、商務部、国家発展改革委員会などの「個体廃棄物の輸入全面禁止関連事項に関する公告」 |
2021/01/01 |
8 |
生態環境部の「建設プロジェクト環境影響報告書(表)の審査批准の手順の規定」 |
2021/01/01 |
9 |
全人大常務委員会の「「中華人民共和国著作権法」の修正に関する決定」 |
2021/06/01 |